話題になった「AWSによるクラウド入門」というハンズオン資料をやってみました。備忘録として感想をまとめてみます。
AWSによるクラウド入門
https://tomomano.gitlab.io/intro-aws/
比較的短い時間でAWS上でのインフラ構築を通してクラウドコンピューティングをざっくりと俯瞰できる資料となっており、とくに初学者にとって有用だと感じました。
対象者
クラウドにはじめて触れる人や不安な人が学習初期にやるとよさそうです。
- クラウドにはじめて触れる学生
- ソフトウェア開発を行っていて普段インフラ側を触っておらず、あまりインフラ側の自信がない人(とくにクラウドを学びたい人)
- AWS認定 ソリューションアーキテクトアソシエイト を取得したい人
- オンプレミスの知識はあるが、これからクラウドを学びたい人
学べる内容
- クラウド基礎概念
- AWS基礎概念
- AWSリソースの作り方(コンソール / AWS CLI / CloudFormation / AWS CDK)
- クラウドで行う機械学習
- コンテナオーケストレーション(ECS / Fargate)を用いた(もっともシンプルな)大規模機械学習システム構築
- サーバーレスアーキテクチャの構成要素(Lambda / DynamoDB / S3 / API Gateway)の説明とそれらを用いたウェブサービスの作成
良いと感じた点
- ハンズオンの趣旨
クラウドの全体像を、手を動かしながら一気に俯瞰できるように構成されています。奥が深く、1つ1つの概念を熟知することが求められるものだと前置いた上で、「細かいところは別途学習してもらえればいい」ので「一気に全体像を見よう!」というスタンスが好みでした。
単純なEC2の作成からECSを用いたクラスター作成を経て、LambdaやDynamoDBを用いたサーバーレスアプリ作成まで一気にやれる。機械学習もやれる。
- AWSリソースをAWS CDKやAWS CLIで作成・削除する
コンソールポチポチではなく、AWS CDKを軸にAWSリソースを作成していく構成が良かったです。入門者でも環境構築さえ乗り越えればものすごい勢いでインフラ構築ができることを体感できるはず。
また、AWS CDKを触ったことがなかったので、どんなものか触ってみるというのが個人的なハンズオン実施の動機でした。個人開発で軽く動かしたいものが出てきたときに使ってみます。
注意が必要な点
- 質問できる相手はいたほうがいい
まったくインフラの知識を持たない人がこのハンズオンをやる場合、性質上、質問をできる人がいるとスムーズに学習が進みそうです。独学の人が環境構築やAWS CLIの操作等でコケたら袋小路に入りそうな予感。
- 100%の理解を目指さない
ハンズオンの趣旨的に全部を100%の理解度で覚えるものではなさそう(やったら大変)なので、細かい理解まで一気に到達しようと思わない方が良さそうです。スピード重視で全体像を俯瞰した後から細かいところを学び直せば足りるはずです。
- リソースの削除
また、DynamoDBの項目の最後で cdk destroy していないので、削除は忘れずに!(Issueで報告した方が良いかな)
最後に
良質なハンズオン資料を公開していただけて本当にありがたいです。周りにAWSを触ってみたいという人がいたら、最初にこの資料をオススメしてみます。